中学受験対策にオススメ!子供新聞の活用法をご紹介します♪~読み方・切り抜き・音読・要約~

中学受験生に大人気の子供新聞。学習効果が高いことで良く知られていますが、実際にどのように活用するのでしょうか?もちろん、ただ読むだけでも十分ですが、ちょっとした工夫をすることで、その効果を増大させることができます!

中学受験生向け!子供新聞のおすすめ活用法

中学受験には、「① 知識」「② 読解力(言語能力)」の2つの能力が必要不可欠です。そして子供新聞は、知識と読解力の両方を鍛えるのに都合が良いと考えられています。

それでは、知識・読解力を身につける上で、それぞれどのような活用法が考えられるのか、一緒に確認してみましょう。

知識を身につける

中学受験には「時事問題」が出題されます。中学校によっては、試験全体の20%近くを時事問題が占めることもあり、関連知識の習得は必要不可欠。学校教育や学習塾、教材ではなかなか時事問題を定期的に習得する子はできませんが、新聞であれば効率的に学習することができます。また、子供新聞は小学生向けの(つまり、試験に出題されやすい)ニュースがまとめられているため、効率的な学習が可能です。

それでは、時事ニュースを習得する上で、どのような活用法・勉強法が考えられるのでしょうか?

切り抜き・スクラップ

ニュースを学習する上でもっともおすすめできる方法が、「スクラップノート作り」です。こちらは各新聞社が推奨する活用法でもあります。

やり方は簡単で、気になる記事を切り抜きして、切り抜いた記事をノートに貼っていくだけです。

これは、そもそも「ニュースに興味を持つ」という点で、子どもの記憶に定着しやすいというメリットがあります。またノートにまとめておくことで、後で振り返りやすく、自分だけのオリジナル時事問題対策教材を作ることができ、試験前のまとめにも有効利用できます。

難関試験合格者のノートを見てみると、記事に赤線が引いてあったり、自分なりの感想や意見を書き加えたりしているようです。

出典:朝日新聞社賞 『よりよい未来のために!』

スクラップ作りであれば、勉強にあまり関心のない子どもでも、一種の「習慣」や「作業」のように取り組むこともできます。子供新聞はそもそもスクラップしやすいように作られていることも多く、特に『読売KODOMO新聞』の「おしえて!コナン時事ワード」は、切り抜き用の点線まで用意されているくらい、まさにスクラップ用のコンテンツになっています。

まずはそのように作業感覚で始め、少しずつ赤線を引いたり、コメントを書いたり、あるいは自分なりに気になる記事を見つけ出すように促すことで、十分な活用効果を期待できます。

恐らくそれができる頃には、時事問題にかなり強くなっているはずです。

読解力を身につける

中学受験に必要なもう一つの能力が「読解力(言語能力)」です。読解力は目に見える能力ではないため、ついつい学習塾や親御さんも無関心になりがち。しかし、ほとんどの(優秀な)教育関係者が主張しているように、学力の根底にあるのは読解力です。読解力のある子どもは自然と学力が上がり、読解力のない子どもはいくら勉強をしても学力の成長に限界があります。

その読解力の成長に欠かせないものが、本や新聞を読むこと。ようするに、文字を読むという行為です。

子供新聞は読解力の向上にも優れた効果を発揮してくれます。それではさっそく、その活用法を確認してみましょう。

音読

某有名私立校の国語科の先生も推奨しているように、「音読」は非常に効果的です。黙読に比べ、声に出して読むのはかなり難しい行為(親御さんもぜひ一度試してみてください)。知っていると思っていた漢字が読めなかったり、正しい日本語に慣れていないと、そもそも文章をスムーズに読めなかったり。また、感情を込めて読もうとすると、登場人物の心境を理解しなければならないため、どうしても「読解する」が必要になります。

加えて音読は、正しい日本語を音声として耳から吸収する訓練にもつながります。子どもはまだ正しい日本語の構造を理解していません。音読を通じてようやく、日本語の読み方を自然と学んでいくことができるのです。

新聞は「正しい日本語の見本」ともいえる存在なので、音読には最適な教材といえるでしょう。

書き写し

音読と並んで「正しい日本語」を習得する方法として、「書き写し」が挙げられます。音読よりもさらに直接的な訓練法といえるでしょう。正しい日本語を実際に自分自身で書いてみることで、さらに細かい言葉の使い方を学ぶことができます。

言い換えれば、「正しい言葉の使い方」をまずは「真似る」ことから始め、次第にその手法を自分自身で操れるようにしていくための訓練と考えることができます。

要約

読解力を身につける方法として、ほとんどすべての有識者に推奨されている方法が「要約」です。音読や書き写しよりはるかに高度な言語能力を必要とします。

要約するためには、文章を正しく読解し、文章の中から要点だけを絞り込み、全体の流れを崩さないよう「別の文章」で書きまとめる能力が必要になります。裏を返せば、要約の練習を通じて、これだけの能力を鍛えることができるのです。

要約は難関中学や多くの高校で採用される勉強法であり、その高い学習効果で良く知られています。中学受験に必要な読解力を鍛える上で、最も理想的な活用法といえるでしょう。

子供新聞にはさまざまなタイプの記事が掲載されているため、要約の練習にはうってつけです。特に『朝日小学生新聞』の「天声人語」シリーズは、音読・書き写し・要約の練習としては最高峰の教材です。

とりわけ要約は難易度が高いため、いきなり挑戦するのは難しいと思いますが、音読や書き写しに慣れたら少しずつ取り組んでみるのも良いでしょう。

ちなみに、小学生の場合は200~400字の要約練習が推奨されています。

まとめ

子供新聞はただ読んでいるだけでも十分に効果はありますが、さまざまな活用を加えることで、その効果を倍増させることができます。ただし、それらすべての活用法を試すには、最低限の時間や能力が必要になります。もちろん、勉強に不慣れな子どもがいきなり挑戦して、簡単にこなせるようなものではありません。

まずはお子さんにとって負担が少ないこと、取り組みやすいことから始め、少しずつ作業量を増やしたり、難易度の高い勉強法にチャレンジしていくことをおすすめします。せっかくの活用法も、子どもがいやいや取り組んでいては意味がないので、常にお父さん・お母さんと一緒に楽しんでチャレンジできることを前提としてみてください。

あいだ

ライター相田 浩二(あいだ こうじ)

個人塾の経営者。「受験テクニック」に頼らない考える勉強法をテーマに、子どもたちへの教育はもちろん、講演会も開催。家族構成は妻と12歳の娘と猫1匹。

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